カウンセラー推薦図書

日本ではまだ注目度が極めて低く、元気な日本への復活の鍵を握っている重要なスキルが「カウンセリング」です。こちらのコーナーでは、ダイバーシティワールドの認定カウンセラーが推薦する図書をご紹介します。ダイバーシティワールドで認定カウンセラーを目指す方は必読です。




自分のこころからよむ臨床心理学入門
著者 丹野 義彦・坂本 真士






推薦者 齋藤 華生
心の問題をもっと身近に、そして基本的な自己理解のお供に

本編153ページのかなり短めな入門書です。内容も平易な表現が用いられているため、少し興味があるけど専門的なことを言われてもわからない、という人にもかなり読みやすい一冊です。取り上げている主なトピックも、抑うつ・対人不安・妄想(統合失調症)などの身近な要素に絞り、第4章では臨床的アプローチにも触れています。巻末には少し専門的な用語や心理療法も簡単に紹介されており、この本を皮切りに新たに関心をもった内容の書物を探すとよいのではないでしょうか。
また章の初めには心理尺度を測定する簡易な質問紙(アセスメントツール)がついており、心理学を学んでみたい人のみならず、自らを知るという点で、ストレスとうまく付き合うメンタルヘルスケアの参考にもなるのではと思います。




聞く力
著者 阿川 佐和子






推薦者 平坂 雅代
相手が思わず話してしまう聞き方(よい質問)のヒントが学べます

聞き上手の著者の経験が生き生きと語られていて、聞く力はテクニックより人柄が大切だということを教えてくれる一冊。話の引き出し方になるほどと頷けます。職場や家庭、学校など、あらゆる人間関係に応用でき、様々な立場の人の話を聞くカウンセラーにとって、心に寄り添った聞き方がどういうものなのか、実際のエピソードから読み取れると思います。カウンセラー向けに書かれた本ではないですが、「気持ちを汲む」カウンセラーマインドや「人の話を聞く」プロフェッショナルマインドを肌で感じられる内容です。




まとめてみた精神科
著者 天沢 ヒロ






推薦者 平坂 雅代
カウンセラーの基礎知識として精神疾患の種類を体系的に学べる

医学生の国試対策本シリーズの一冊。 医学生向けではあるが、キーワードで診断ができる整理の仕方が満載で、カウンセラーが出会う可能性もある精神疾患について、基礎的に分かりやすく記されており、参考として手元に置くにはお勧めの一冊。カウンセリングの領域なのか、医療の領域なのか、センスが育まれます。実際の国家試験出題に対する思考プロセスが記載されていて、メンタルヘルスで扱われるうつ病等については、質問の仕方など参考になります。国試の過去問から100題を厳選し、オリジナルの解法が加えられていて、傾向を知ることもできます。




リフレーミングの秘訣
著者 東 豊






推薦者 石川 梨奈
モノの見方が変わると人生が変わる「リフレーミング」

「人の心の変化」とそのための「効果的なかかわり方」に関心を持つ人のために書かれた書物です。リフレーミングとは、人がもつ枠組み、モノの見方、意味づけを変化させるということです。基礎知識編で触れる『システムズアプローチ』『P循環療法』の考え方を理解することで、よりリフレーミングの向上につながります。事例編では『過食症』『万引き』『不登校』『非行』4事例を通してリフレーミングをどのように使い、どのように効果がでたのか、初回面接から会話形式で描くことにより、初心者でもカウンセリングのイメージもできるという点が、読みやすく面白くかつ理解もしやすいと感じました。カウンセラーとして学びを深めるのみならず、リフレーミングの心構えやちょっとしたコツを学ぶことで、多角的に物事を見れるようになり、自分の心や生活にも変化を与える一冊として推薦します。




うつ病の相談室
著者 林 公一






推薦者 松田 謙太郎
カウンセリングをうつ病のケーススタデイで学べる、とてもわかりやすく書かれたメンタルヘルス対策の実践方法

私がうつ病でほぼ寝たきりだった時に、通院しているクリニックのカウンセラーに勧められた読んだ本です。うつ病で寝たきりの状態だと、文字を読んだり書いたりすることも難しくなります。
読み切るのに1か月(!)かかってしまいましたが、効果てきめんでした。この本にはうつ病をケースにした具体的なカウンセリング方法やアドバイスが書かれています。
うつ病になる原因(臨床心理学の立場)をもとに具体的な事例の解決法を示しています。傾聴、受容等心理学的テクニックを駆使して、うつ症状が出ている人への対応策が示されていて、カウンセリングを学ぶ人もとても参考になります。
うつ病患者の立場を理解した内容で、個別具体的な方法が示され、まるで実際にカウンセリングを受けているみたいです。本の内容は、うつ病だけではなく他のメンタルの症状へのカウンセリングにも応用できます。
本を読むのがつらいうつ病の人向けに書かれているので、本当にわかりやすく、カウンセリング方法を学ぶ入門書としても役立ちます。
林先生の著書はどれも読みやすくお勧めできます。カウンセリングとは?を学ぶ入門書として、ぜひお手に取って読んでみてください。